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あずきらりん☆

azu kirarin☆ - かわいいものにかこまれて Surrounded by cute things -

2. へんな子

「へんな子」

これが幼少期、みんなからあずきに向けられていた視線でした。

自分とあまりに異なる性質を持ったあずきという人間が、たいへん奇異に映ったのでしょう。仕方ありません。

だって私は、男の子遊びが、いいえ、男の子というのが、大嫌いだったんですから。

 

生まれ持った性別というのは、その後の人生に大きく影響していきます。

ある時は行動の指針にもなります。みんな、その道しるべを持っている。

でも、私は、持っていませんでした。いいえ、矛盾する指針しか持っておらず、使い方が分からなかったのです。

女の子みたいな、男の子。私は何を信じればいいのかわかりませんでした。

 

どうにも使い方が分からないので、人に聞いてみましたが、誰も教えてはくれません。

教えてくれたやり方は、ことごとく自分には合いませんでした。

あまりにうまくいかないので、私は、人の思うとおりにしか、動けなくなってしまいます。

誰にも扱えない、あずきという存在は、だんだん邪魔に思われ、みんなから傷つけられるようになりました。当たり前のように。毎日。

そんな、幼き頃から、自らを抑圧する日々を過ごしておりました。悲しいはずなのに、悲しいと思うことさえ押さえつけていたように感じます。

 

 でも、今になって気付いたのは、あのころは自分のことを”抑圧”するだけで、殺しはしていなかったということ。

時期が来れば、復活させる気でいたのでしょう。

あずきは、無意識に感情を2つに分け、女の子な私に言います。

「今は、出てきちゃだめ。でもね、いつかね、あなたのこと、出してあげる。その時は、思いっきりきれいなお花を咲かせてね。」

そして、男の子な私にはこう言いました。

「今は残念だけど、耐えるしかない。だけど、がんばって守ってあげて。いつか思い切り輝ける日が来る。いえ、輝いて見せるからね」

心の中に妖精が2人いるみたい。

こうして無意識に感情を2つに分けた幼きあずきは、自分の意思以外で何者かの攻撃によって勝手に破壊されないよう、2つに分けた感情をそれぞれ、家に鍵をかけて守ろうとします。

あずき自身でも開けるのが困難な、鍵を使って、頑丈に。

いつか、扉を開けるときが来ると信じて・・・